往復はがき・Web・窓口のいづれかで、人気ゆえ3か月前~予約しなければならず、
京都に住んでいてもなかなか行きづらかった桂離宮。
今夏より何と当日受付枠が設けられ、予約なしでも見学できるようになりました!
制限はあれど、思い立った時に行けるなんて嬉しすぎる・・・*
秋雨のぱらついた日。
前日の大雨で、池の水位がMAXだったそうです。
天の橋立・京丹後の海を演出する州浜。
そして見たことないくらい長い一本石の石橋を渡ります。
濡れているせいか上に立つと案外細く感じました。
いままで20人くらい落ちた人がいるとか(!)
6万9千㎡あるという広大な敷地をぐるりと一周。
桂川沿いの平地なのですが、山が造ってあり、山道を歩いている錯覚に陥ります。
厚みのある、平らで立派な飛石。
水はけも計算されているので、雨でもグズグズになることなく歩けます。
参観は無料なのに、解説付きの団体行動で1時間、約1キロ。
ヒールだときびしいかもしれません。
春・夏・秋・冬と4つの茶屋があるのですが、
こちらは一番格の高い、冬用お茶室『松琴亭』
有名な市松模様の床貼付があるのもここ。
もともとなのか、色あせたのか、柔い浅黄色が美しい。
冬の茶室といわれるのは景色だけでなく、
墨絵の美しい厨子棚(かっこいい!)の下に大きな石炉があり、
ここで炭をおいて棚の中の料理を保温していたそうです。
続いて春の茶室『賞花亭』。
山道の途中、峠の茶屋ぽいですよね。
実際苑内で高い位置にあります。
シンプルかつ一番小さいお茶室ですが、気持ちの良い空間でした。
のんびりしたかったけど、団体行動なので断念・・・
大胆な造りですよね、雨も吹き込み放題。
足元もいちいち変化に富み凝っています。
竹をしならせて指してあるだけなのに可愛い。マネしたい。
苑内は明かりなどもちろんありません。
ところどころに石灯籠があり、ここに灯りを点したことでしょう。
月明かりと、灯籠だけ世界を味わってみたい!
雨どいの接合部分まで、竹と木で出来ていました。
ちゃんと昔からのやりかたを、丁寧に続けているんだと思います。
こちらが田舎屋風、夏のお茶室『笑意軒』。
表は池、裏には水田が広がり、
稲穂がさわさわと心地よい風が通り抜けるようになっています。
現在も近くの農家さんにお願いし、実際にお米をつくっていらっしゃるそうなのですが、
景観の為に、宮内省の敷地で栽培したお米って、どうなるんだろう?
「浮月」と呼ばれる蹲踞。
その名の通り、夜になればここに月が浮かぶらしい。
池はかなり広いので、各お茶屋には船着場がついている。
船で移動するなんて、ロマンチックすぎるだろう。
桂棚で有名な、桂離宮の中枢である書院群は見学不可。
月の字型の引き手、見たかったなぁ。
※待合室にて引き手のみ展示されています。
書院・月見台を横目に最後の茶亭へ。
秋の茶室『月波楼』は、月を見るのにちょうど良い位置、
池辺の高台に建っているそうです。
竹でできた舟底のような高い天井が、開放的。
この景色、なんて贅沢なんだろう。
桂離宮は400年間火災にも見舞われず、
ほぼ完全な形で創設当時のようすを今日に伝えている、守られた場所です。
日本の誇る控え目な贅沢と繊細で詫びた美。
400年前の人が最高に美しいと思ったものを、今同じく最高に美しいと思っている。
水面に、蹲踞に、杯に、
当時浮かべた月の明るさたるや、いかほどだったろうか。
江戸時代には、ほんの限られたひとしか味わえなかったことでしょうが、
こうして一般公開されていて、一生のうち、目の当たりにできるなんて幸福なことですね。
すっかり欲を出しちゃって、春夏秋冬異なる表情すべてを見てみたいと思いました。
夢心地でした。
京都まで来て、見ないのは損です。
桂離宮(かつらりきゅう)
参観無料
阪急京都線 桂駅から 徒歩20分
京都駅から市バス 桂離宮前下車 徒歩8分
錺屋からは6km、車で15分、自転車で30分
タクシーですと1600円程度
無料駐車場完備なので、京都の方には車がおすすめ
参観開始時間
◇午前9時 ◇午前10時 ◇午前11時
◆午後1時30分 ◆午後2時30分 ◆午後3時30分
この午後の3回のみ、当日枠があります。
早めに行って窓口で申し込むのですが、売り切れていたら泣けるので、
やはり予約がベターです。
私が行ったのは平日でしたが、
1時に窓口着で、2時30分の回のみ空きがありました。
注意点
◇団体行動が苦手な方はちょっとつらいかも。
◇移動が多いので写真をじっくり撮るのは難しいです。三脚なども不可。
◇夏は虫除け必須です。
◇周辺にはお店や見どころもなく、
寺蔵カフェくらいしか時間をつぶすところがありません。
ゲストハウス錺屋
女将