皆さまのあたたかな応援によりこの12年間、この場所で「錺屋」を営んでまいりました。
私にとって初めて作った場所であり、それを大切に思ってくださるお客さまと、居心地が良いと思ってくれるスタッフと、とても良い関係を築くことができました。日常でありながら、過ごしたその時間の全てを愛おしく、宝もののように思っております。

錺屋は、老舗の薬屋の事務所として使われていたものが貸しに出ており、私がそれに出逢ったことで始まりました。
ゲストハウス(お宿)という形で開業をしてからは、皆さまからのご支援をいただき、このお家のお世話を預かりました。

この建物が長く生きられるように。いつでも皆さまがここに来られるように。
それはいつしか使命となり、とても幸せな毎日でした。
ずっと変わらない、いつもの京都、いつもの錺屋。
いつまでもそうありたいと願っておりました。

皆さまにだいじなご報告がございます。
この度、来年2月以降の賃貸契約延長が叶わず、2021年1月末をもちましてゲストハウス錺屋としての幕を下ろす事となりました。
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目まぐるしい世相の中で直前まで延長があり得るかもしれないという諦めきれない願いと、この場所での日々に終わりが来るという大きな現実を受け入れられない思いで、気持ちの整理がつかず、このような直前のお知らせとなってしまいましたこと、ご容赦ください。
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12年前とはすっかり時代も変わってしまったのに、「錺屋」が変わることなく続けて来られたのは、皆さまに思って頂けたからこそです。
本当にありがとうございました。
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最後かもしれないと迎えた本年が思わぬ年となり、海外からのお客さまも含め、いつもならお会いできたはずの沢山の方々にお越しいただけなかったこと、口惜しく思います。残された1ヶ月、この場所と向き合い、別れを惜しみながら1日1日を大切に過ごしたいと思います。

お宿としての営業は1月31日迄となります。昨今の時節柄無理のないようお願いした上でなのですが、お越しいただけましたら、私たちも建物も、とっても喜びます。
建物とはお別れしなければなりませんが、それでも「錺屋」をかたちづくるものや、私たちスタッフにはその先があります。
場所は変われど、日常は続いていきます。
春になれば味噌を仕込み、夏には梅しごともするでしょう。
秋には七輪で秋刀魚を焼き、冬には餅花をつくります。
日常をだいじに愛おしみながら。

「錺屋」という宿としての場所やかたちはなくなりますが、そこで守り育んできたかたちのないものこと、長い時間をかけて受け継がれてきたもの、心や魂は決して消えることはありません。
今後は場所を京都の片隅に移し、つつましやかなくらしぶりや我々の元気な姿、愛するモノコトや風情を光に乗せてお届けして参ります。
現在のホームページはリニューアル予定です。離れていても錺屋の風を身近に感じていただけるようなサイトにしたいと思っています。

これまで宿という場所を介したコミュニケーションでみなさまと錺屋は繋がりを頂いてまいりました。しばらくはバーチャルの世界を介したコミュニケーションになりますが、大変な時代だからこそ、ゆるやかにでも皆さまと繋がっていたいと思います。
SNS等をフォローいただいて、これからも錺屋を見守り続けてくださいませ。
そしていつかまた宿として、再びお会いできる場所も夢に見ながら、これからも歩んでいきたいと思っています。

今まで通りお宿として営業を続ける姉妹店「月屋」、
そしてこれからの「錺屋」を、何卒宜しくお願い致します。
それでは皆さま、どうぞお元気で、良いお年をお迎えください。
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錺屋女将 上坂 涼子
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お泊りは姉妹店月屋へ http://tsukiya-kyoto.com/
女将へ
あれから12年とは・・・お疲れさまでした。
ときどきSNSをのぞいては「がんばってはる! えらいもんや」と慣れぬ京都弁を使いながら感心しておりました。
万物流転。きっといいことあります。
あるとき奈良にも来ていたんだなと知りました。コロナが終息したらぜひこちらに顔を出してください。
私たちはいつか月屋へ!
取りいそぎ・・・エールを送りたくて。
年賀状、いつもいつもありがとう。
林耕太郎 西島千春
大好きなおふたりへ
コメント有り難うございます・・・!
ずっと見ていてくれはったんですね・・・嬉しいです。
いつか再会しましょうね*