毎年九月の第四月曜、
折れた櫛や古い簪を供養する「櫛まつり」が安井金比羅宮にて開かれます。
直前まで台風の影響が危ぶまれていたのですが、雨どころか晴れ間さえ見えるという奇跡!
錺屋の髪結いあそびでおなじみの結髪師・聖子さんが、
有り難いことに今年、あゆみさんをモデルに選んでくださったので、
もう春頃からずっと楽しみにしていたイベント*
担当されたのは明治時代奥様の髪型、丸髷です。
聖子さんの結われる一糸乱れぬ髷、息をのむほど美しいのですが、
堅くなく、まるーうっとして可愛いらしいですよね*
神事に参列した後ひとりずつ舞台にあがって、ゆっくり一周している間に、
時代と髪型の説明、そして髪結いの担当及びモデルの名前のナレーションが入ります。
一挙一動注目されるので、緊張していたそうですが、あゆみさんの振舞いは堂々たるもんでした。
日本髪好きにはたまらない、まさに日本髪の祭典。
錺屋・月屋にも櫛まつりに参加する為お泊りのお客様が、
しかもご自身で日本髪を結われた方もいらっしゃいました。
なんせ古代美豆良から現代舞妓まで、多様な日本髪を地毛で結い上げ、時代装束をまとった女性たち約40人が勢揃い!
熱心な日本髪ファンの方が遠くからいらっしゃるんです♡
時代装束には専門の着付師さんがいらっしゃるそうで、
アンティーク着物が好きな方も大好物やと思います。
特に江戸時代は、日本髪史上最も華やかで、進化を遂げた時代。
前期・中期・後期に分け、紹介されていました。
ちょうど先日大阪へ、メアリー・エインズワース浮世絵コレクション特別展を見に行ってきたばかり。
本当に浮世絵から出てきたような女性たちが、ずらりと並んで、祇園の街を練り歩きます。
八坂さんの前を通って、白川から、外国人観光客で賑わう花見小路通を通って、安井金比羅宮へ戻ります。
安井金比羅宮と言えば、「悪縁を切り良縁を結ぶ」神社。
昨年あゆみさんが行った「櫛まつり」がきっかけになったという、
この聖子さんとありさちゃんとの有り難いご縁。
明日には初の日本髪×錺屋のイベント「髪結ひことはじめ 」も迫っています。
はじまりはここだったんだなぁと、胸が熱くなりました。
時代装束をお返しし、あゆみさん自前のお着物に着替えて、
日本髪で行ってみたかった長楽館へ。
踊り場の下ではピアノの生演奏。明治時代の建築で、
明治時代の髪型の女性とお茶するなんて、こんな贅沢なことってあるでしょうか。
錺屋女将 上坂涼子