五月といえば茶摘み。
お能の前田さんのご紹介で、近江・奥永源寺のほうへ茶摘みのお手伝いに行ってまいりました。
京都から高速に乗り1時間ちょいで、こんなところに来れるなんて。
空気が本当に澄んでいる。
あゆみさん、茶摘みの正装で挑みました。
茜襷に、佐原のぼっち笠、そして行田・きねやの藍染地下足袋!
籠をもらって、各自茶摘み開始!
新茶と言えば一芯二葉といいますが、
政所では、しごき摘み。
一芽ずつ親指と人差し指の間にはさみ、下葉からしごいて新葉と先端の軟らかい茎を摘みます。
慣れれば超早いらしいです。
何せこの急斜面、機械は入れず、いまだに手摘み頼り。
しかも無農薬・無化学肥料栽培で、ほとんど市場に出回らんそう。
この山あいの地域で600年以上守り継がれてきた、
「宇治は茶所、茶は政所」と歌われたほどの幻の銘茶『政所茶(まんどころちゃ)』。
秀吉と三成の出会いの逸話「三献茶」も、政所茶だったと言われています。
樹齢300年の木もあり、ロマンを感じました。
銘茶として、どんな偉人たちに献上されてきたことか。
みんなで摘めば、この通り!
午前の部が終わり、お昼休憩に、川へ下りました。
清流がそよそよと、傍を流れる中、
またしてもちゃぶ台出して、あゆみさん特製の竹皮弁当を頂きました。
畑仕事のあとは米がうまいのなんの。
やはり日本人はウルメにこうこに梅干しやなぁー。
二人で2合弱完食しました。
まるで昔の、旅の風景みたい。
どきっとするほど美しかったです。
さて、はらパンになったところで、
午後の部も頑張って黙々と摘みました。
小休止の際、水出し冷政所茶をいただきましたが、
爽やかで美味しかったです。
前田さん曰く、動物性の肥料を与えていないので、
香りがすっきりとし雑味がないのだとか。
市場に出回らないと言いましたが、こちらでご購入いただけます。
「政所茶縁の会」では若い人たちが、高齢のため維持できなくなった茶園を引き継き、
政所茶を守っております。
今回のお手伝い、とても楽しませていただきました。
最後に、こちらの滋茶園さんで摘んだものを、
快く分けていただきましたので、
軽く乾かし揉んで、発酵を促し、烏龍茶にしてみました。
香りは烏龍茶なんやけど、
ちょっと発酵が進みすぎたのか、味は紅茶よりでした。
茶葉をいただいた滋茶園さんは、茶園を借り本業の傍らで維持管理をされているそう。
茶摘みの時期以外は月に一回。
水遣りをしなくていい政所のお茶の木だから可能なんですよね。
茶園を持つってええ趣味やなぁ*とほんのり憧れたのでした。
錺屋女将 涼子